晴々 haruharu

今年の目標は「できる限り、健康になる」

チケット当落における「新規ファン優遇」の噂に対して、わたしが思ったこと。

先日UPした記事の通り、8月に都内某所で開催される推しのコンサートの、チケットのファンクラブ(以下FC)会員先行に関して、実に様々な出来事がありました。

運営側が転売に対する方針を改めて発表した一方で、ファンの間に、今回の当落に関して、「新規ファン優遇」「古参ファン冷遇」という噂が流れましたよね。

この主張、割と古くからありました。
でも、具体的な根拠は特にないんです。そんなデータを公式が公表するはずもないので。



たしかに、今回、推しは「今FC会員登録すれば、FC先行に間に合いますよ」というアナウンスを繰り返し行っていました。
これによって、当落判明後に、ファン歴の長い落選者の中から、「推しが集客に日和った結果、新規ファンを優遇し古参ファンを冷遇したのでは」という発言が起こり、主にTwitter上で、さも公然の事実のように拡散されていってしまったのです。

しかしながら、このアナウンスは、推しの事務所の先輩である、茅ヶ崎あたりの陽気なみなさんもよくされていて、決して推しだけが日和って新規をかき集めたわけではありません。


わたしも推しのファンになった直後の年末、「わたしはチケット先行受付に間に合いますか」と、ファクシミリで問い合わせた*1ことがあったんです。

今回、推しは主演ドラマの放送中。このような問い合わせは普段より多かったはず。
そりゃ書きますよ。ラジオで言いますよ。
同じこと繰り返し返事するの、なかなか大変ですからね。

そもそも、ここにファン全員いる?


我々の推しは50代。

「○○ファン 平均年齢」でGoogle検索を行うと、40〜50代女性という知恵袋の結果がヒットしました。
さらに、推しが公式Instagramを開始した際の、「意外な弱点!○○ インスタフォロワー伸び悩み。ファン層の高年齢化が原因か」などという、ちょっと切ない記事まで……。



ちなみに、Twitterの国内ユーザーの年代別利用率は、20代の78.6%に対して、40代は44.8%、50代は34.3%、60代に至っては、14.1%*2といわれています。
Twitterユーザーの平均年齢は「36歳」というデータも。
ここから、日々アクティブにTwitterを利用している世代は、Twitter全体の登録者層の中でも、さらにもう一段若い可能性もあります。


つまり、我々の推しにとって、「いちばんファン層が厚い年齢層」は、Twitter上では少数派である可能性が高いんです。


もちろん、30代半ばでありながら、ファン暦が20年以上のわたしのようなものもごく稀にいます。
しかしながら、アクティブにSNSを利用する多くの10代・20代に、「古参ファン」と呼ばれるほどファン暦を重ねるのは、そもそも物理的に不可能ですよね。

Twitterの仕組上、普段からツイート量が多いユーザーの「いいね」がたくさんついたツイートは優先的に表示されます。
当落ツイートでいいねがつきやすいのは、落選ツイート、当選ツイート、どちらでしょう?


さらに、至極当たり前のことではありますが、Twitterをやっていないファンには、Twitter上で当落を報告できるはずがないことを、みなさんきちんと認識できていますか?


以上の理由から、ツイートが他のユーザーの目に触れる確率の高い、アクティブな利用者層が、いわゆる「新規ファン」である可能性の高い年代の人達であったというだけで、「新規ファンにばかりチケットが当たっている」と決め付けてしまうのは早計ではないか、とわたしは考えています。

この場所は、広い世界のごく一部でしかない


かく言うわたしも、自分自身がTwitterユーザーなので、Twitterを使っていない人なんてそうそういないと思いがちなところがあって、Twitter上でバズっているネタが広く万人に知れ渡っていると決め付けて話し、ものすごくスベって反省することが、多々あります……。


自分が属している属性で当たり前のことであっても、一歩その輪の外に出たら、全く非常識になってしまうことは、インターネット上以外の世界でも言えること。
わたしたちが、みずからの目で見たり、音を聞いたり、手で触れたりできる「世界」は、世界のごくごく一部でしかありません。


推しのファンであるわたしたちの共通点はただひとつ、「同じ推しを推している」ということだけ。
そのほかの部分では、様々な年齢・性別・暮らしの中にあるのです。
自分自身の属性は、様々な属性のなかのごくごく一部でしかありません。


今回、チケット落選に慟哭するファンを、「新規ファンを追い出したい、攻撃的なファン」と決め付けて、そのような方達に対して、極めて侮蔑的なツイートをされる方が現れてしまいました。

その方は、どうやら、推しを推すこと以外にも、複数の楽しいご趣味がおありのようでした。
推しのチケットが外れても、他の趣味を楽しむから別によかったのだそうです。

しかしながら、推しのファン層のいちばん分厚い部分には、ご自分のお仕事以外にも、家事や育児、介護など、大きな負担を日常的に抱えている方たちが多くいらっしゃいます。
そのような方達にとって、年に数回のコンサートが、家族から許可を得られる唯一の息抜きの場である場合も大いにありますよね。

同じ「1枚のチケット」であっても、その価値や重みが、人それぞれ違うことは、大いにあり得るんです。
1枚のチケットの重みが全く異なる同士が、「私はこうだから、あなたもこうありなさい」と言うのは、やっぱり無理がありますよね。


もちろん、暴言は決して許されるものではありません。
たとえ議論が白熱したとしてもです。
しかしながら、意見が合わない相手を一方的に侮蔑するのも、議論とは決して言えません。


せっかく同じ輪のなかに集った仲間たちです。
相手は自分と違って当たり前。お互いを尊重し合える仲間でありたいとわたしは思います。

*1:当時、推しのFCの問い合わせ窓口はFAXのみでした。

*2:WE LOVE SOCIALの記事 https://www.comnico.jp/we-love-social/sns-users より引用